名杜氏 瀬戸清三郎さんの跡を引き継ぎ、新たな可能性に挑戦する若き杜氏、石田君。若いとはいえ、瀬戸杜氏のしたで約10年間修行を積んでいます。就任していきなり「生もと純米」が造れるのは、そのキャリアと度胸の良さのおかげです。
立香はバナナ系の香りがほのかに香ります。その他にデリシャスリンゴや蒸した米の香りもし、色んな香りが幾重にも重なっており、山廃仕込みならではの厚みのある心地よい香りが楽しめます。
口当たりはたいへんまろやかです。丁寧に熟成された事が感じ取れます。濃厚なボリューム感を持ちながらもスムースな舌すべりでひっかかりがありません。味わいは芳醇でダイナミックに広がる旨味、キリッとした辛味が特徴的。非常にリッチでたっぷりとした風味です。甘辛渋酸それぞれが高いバランスを保ちながら主張しあっています。そして、しっかりした酸味がそれらを一つにまとめあげ全体のバランスを完璧なものにしています。
後口は太くて味のある酸味がスパッと酒を切ってくれます。そして酒が切れたと同時に旨味がジワリと舌に染み込んできます。この余韻は松の司ならではの個性。この酒は生もとで仕込む事により、よりいっそうその特徴が明確に表現されています。
飲む時は常温付近〜ぬる燗がオススメです。また熱燗にしても味がくずれません。私もこの酒にすっかりはまってしまい、ぬる燗にしてスルメをあぶりながら夜長を楽しむのがマイブームになっています。
日本酒度 | +9 | 酸 度 | 1.4 |
原料米 | 山田錦 | 精米歩合 | 65% |
酵 母 | 自社保存株 | アルコール度 | 15.5度 |
タイプ | 芳醇旨口 | 保 存 | 冷暗所 |